京都で「大文字焼き」ということばは禁句のような雰囲気を持っています。
京都人の多くは「大文字焼き」というと無性にいやがります。
「大文字焼きって・・・大判焼きとちゃうねんから」とか言うて。
大文字送り火、五山の送り火というのが通常の呼び方です。
音のない静かな宗教行事ですから、送り火のほうがイメージにも合っていますね。
「焼き」ではなんだか威勢がいいというか騒がしいような。。。
ただし、江戸時代には京都でも「大文字焼き」と呼んでいたという記録があり、あんまりムキになって「大文字焼きではない!」というのも大人げないのかもしれません。
ホンモノの京都人は応仁の乱を「このまえの戦争」「このまえの大火事」と呼ぶくらいなので、「大文字焼き」をいやがる人はわりとここ最近の京都人なのかも・・・。
(とはいえ、わたしはやっぱり「大文字焼き」より「大文字の送り火」のほうがしっくりきますが。)
ちなみに大文字焼きと呼ぶ行事には次のようなものがあります。
● 秋田県大館市の大文字まつりの鳳凰山大文字焼き。
● 神奈川県足柄下郡箱根町で行われる箱根大文字焼き。
● 静岡県三島市で行われる三島大文字焼き。京都の2倍の大きさだそうです。
● 山梨県笛吹市一宮町の大文字焼き。
● 栃木県佐野市の三毳山(みかも山)で行われる三毳山大文字焼き。
大文字焼きは関東に多いようです。
だからつい言ってしまうのでしょうね。